(奇妙な本)『ザ・シークレット』ロンダ・バーン

図書館で『ザ・シークレット』(ロンダ・バーン著)という本を借りて読んだ。

すごく奇妙な人の、奇妙な主張だと感じた。もっといえば、狂信的である。

 

本によると、人生を成功に導く偉大な秘密があるという。

それは「引き寄せの法則」なのだそうだ。

思いや考えは宇宙に放射され、波動によって似た周波数のものを引き寄せるのだそうだ。思考は現実化するのだそうだ。

豊かな生活をイメージすると、豊かな生活を手に入れることができて、貧しさを恐れると、その思いが貧しさを引き寄せてしまうのだそうだ。

「あなたが思い続けることによって引き寄せない限り、あなたの人生には何事も起こりません。」とまで言い切っている。

欲しいものを願い、イメージし、信じ、受け取ったという気分を感じて感謝すれば、何でも欲しいものが宇宙の法則によって引き寄せられるのだそうだ。大金も、健康も、何もかも。

 

はたして本当にそうだろうか?

「類は友を呼ぶ」ということわざもあるし、前向きな気持ちを持つことは必要だという範囲ならわかる。

だが、この本の主張はその範囲を超えている。

お金に関する事柄は特におかしい。

この本に書いてあることを無邪気に信じて行動すれば、破産まっしぐらである。

 

豊かさに必要なのは、実態を無視して豊かな心持ちでい続けることよりも、

現実に即した計画的な消費や堅実な生活をすることではないだろうか。

 

それにだいいち、人生には予想もしなかったような出来事などいくらでも起こる。

 

Wikipediaにもこの本の概要と批判が書いてある。

ザ・シークレット - Wikipedia

私たちは「ネットの情報は嘘や間違いもあるから、鵜呑みにしないように」と学校で教えられてきた世代だが、ネットの方がよほどまともという逆転現象が起きている。

 

角川書店の正気も疑いたくなるところだ。2007年発行とあるから、実体のないバブルでもいいからどうか景気がよくなって欲しいという願いで発行されたのだろうか。

 

うまい締めくくりが思いつかないのですが、これ以上時間をさくのは時間の無駄なので書くのを終わりにします。