双極性障害の研究の進歩に少しだけ寄与した

双極性障害に関する研究は、まだまだ発展途上で、わかっていないことが多いという。

はやく研究が進んだらいいな、研究が進んで、良い治療を受けられたらいいな、と普段から願っている。

 

そんな私が2016年、あるホームページを目にした。

理化学研究所脳科学総合研究センター 精神疾患動態研究チーム

ここで、研究に協力してくれる双極性障害の患者とその両親を募集しているとのことだった。

ゲノム研究参加のご案内 | 理化学研究所脳科学総合研究センター 精神疾患動態研究チーム

 

 

おお!これは私がお役に立てるチャンスだ!

科学の進歩を、ただ何もしないで指をくわえて待っているより、少しでも進歩に役立つことができるなんて素晴らしい。

そう思って、私は両親を誘ってこの研究に協力してみた。

 

まず、理化学研究所脳科学総合研究センター精神疾患動態研究チームのゲノム研究担当者にメールをして、研究に協力したい旨を伝えた。

すると研究担当の方からメールの返信があって、協力に必要なことをメールで教えてもらえた。

 

そして驚いたことは、すべてのやり取りがメールと郵便と電話で済むことで、ゲノム研究といえど採血の必要もなく、どこかの場所に出かける必要すらないことだった。

 

まず1つ目のステップは、両親に協力を仰ぐことだった。

双極性障害の患者とその両親を対象にした研究なので、両親に話をして、協力してもらえないか聞いてみた。

父も母も快く引き受けてくれた。

両親の了承が得られた旨を伝え、私と両親の住所と電話番号・メールアドレスを担当の方にメールで教えた。

 

 2番目のステップは、書類と唾液採取キットが郵便(レターパック)で送られてくるので、書類を受け取って読み、必要事項の記入と同意書のサインをすることだった。

読むものはちょっと長かったが読み切れないほどのものでもなく、書くものもそれほど難しいことはなかった。

ただし病歴を記入する必要があったので、自分の病気がいつからか、などを確認する必要があった。

病歴が長くなっているので、自分のことでも案外忘れているもんだなと感じた。

 

私はこのステップで「個人情報はどのように管理されているのかな?」と思い、問い合わせてみた。個人情報は理化学研究所の安全管理室という部署で管理しているとのことだったので、その部署の人にメールで説明を受けて、納得した上で研究に協力した。

 

3番目のステップは電話面接だった。

初めに聞いたときは「電話面接って何?緊張するやつ?」と思ったが、何のことはない、電話越しで向こうの質問に答えるというものだった。

私、父、母とそれぞれに、研究担当者とお互いに都合がつく日時を相談して、研究担当者から電話をしてもらって電話面接を行った。

 

 

4番目のステップは、唾液を採取することだった。

キットの説明書に書いてあるやり方で、送られてきた唾液採取キットに唾液を入れ、キャップをする。

父は「唾液の量を入れるのがちょっと大変だった」と言っていた。

私は、唾液だけで研究ができるということに改めて感心した。

 

最後に、書類と唾液キットを郵便(レターパック)で理化学研究所に返送して完了。

返送用のレターパックは同封されているので、入れて送るだけでOKだった。

 

研究に協力したのが、このブログを書く2年くらい前のことなので、細かいところは忘れてしまっているのですが、大まかには以上に書いたようなことだった。

 

ちなみに、ゲノムの研究に協力したからといって、自分自身の個人的な何かがわかることはない。

費用もかからないが謝礼もない。

ただ「研究が進む」その一点である。

 

しかし将来研究が進んでくれれば、それによって進んだ治療を受けることができるかもしれないし、あるいは未来の患者が救われるかもしれない。

そんな進歩に微力ながらも寄与できることに意義を感じた。

 

☆2018年現在も、この募集は続けられています。

加藤忠史 on Twitter: "今年も引き続き、双極性障害の原因を解明し、診断法・治療法を開発するためのゲノム研究に、双極性障害の方とそのご両親の3人でご参加下さる方を募集しています。遠方でも簡単にご参加できます。詳しくはこちらをご覧下さい。ご協力お願いします! https://t.co/MtQ6dUoiRs"

 

2018.3.27 加筆修正しました。

2018.8.6 わずかな修正をしました。